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2010年12月25日 (土)

映画:ノルウェイの森

今年、一番見たかった映画。少なからずも、この日本の純文学をベトナム人の監督がどこまで表現できるのか気になるところ。まして、時代が学生運動があったり、日本の時代背景など、どう見せてくれるのか。
映画は、正直、原作にかなり忠実で、ここまで見事に映像化できたのは、ただただお見事の一言です。監督とカメラマン以外は殆どが日本人スタッフで構成されているにしても、よくもここまで原作に忠実に作ったものかと思う。

それに、カメラワークと映像がとても綺麗。1番、凄いと思ったのが、3人でクラシックを聞きに行くシーンで、コンサートホールに入っていくカメラワークは、お見事としか言いようがない。それと、ハツミとワタナベと永沢の3人で食事をするシーン。この時の、ハツミの表情を見事にとらえてると思った。そのあとのタクシーに乗って帰る時のハツミの微妙に身体がななめっていて、そのワタナベとの微妙な距離感。小説を映像化するには絶対には無理な部分があると思うけど、こうゆうとこで、ものすごい心理描写を描いてると思った。

賛否両論ある、菊池凛子ですが、演技は抜群にうまいです。声や、仕草、そして微妙な感情の動き。とにかく、お見事です。ただ、個人的な好みの問題もあるんですけど、菊池凛子、綺麗じゃないの・・・。リアルと言えば、リアルに感じるんだけど、セックスシーンも綺麗には見えない。どちらかと言うと、生々しく感じる。けど、こう書いてみると、監督はセックスはけして美しいものではないと言う、メッセージだったのかなとも思える。あれだけ綺麗に撮れるカメラマンなんで、もっと美しくとれる事は可能だと思った。その証拠に、草むらでフェラをするシーンなんか、上空から、とても綺麗に撮っていたし。あと、年齢かな?ちょっと20歳前後には見えないのが残念。

生と死、危うい上に、成り立ってる。この小説を読んだ時、人が死にすぎると思った。キズキが死んだときに、自分は生きると決めたとワタナベは語る。直子の死と緑の生。とても対照的でありながら、どちらも危うい。ワタナベは、直子に対して愛してはいなかったから、あそこまで苦悩したようにも思える。人を深く愛すると言う意味、責任。嘘じゃなくって本気に。直子が、ワタナベに対して、パニックを起こして、ワタナベの存在が駄目にしてるような事を言うけど、その通りだと思う。居なければもっと楽。けど、居ないと支えがなくなるから、駄目になる。どうしょうもなく、どうにもできない辛さ。落ちるとこまで落ちるしか無い。この映画を見てると、ハツミだけが本当だったような気もする。結局は、自分に責任をとったと思う。

1つ疑問があった。最後にレイコが「私と直子の分まで・・・」と言う。ここが原作と多く違うとこと思った。レイコはワタナベとセックスする事によって、生きる事を決めたように思えた。けど、このセリフを言う事によって、旭川に行って自殺するのではないか?とも思える。原作はたしか、手紙をいっぱい書いてと言うような事を言って、別れたはず。このへん、監督はどのように意図したのかと思う。

最後は、これから始まる希望なんでしょうね。落ちるとこまで落ちて、そこから自分の居場所をやっと見つける。

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