会社を半休させてもらって佐伯祐三展を見てきました。日本の洋画家の中で3本の指に入ると思う天才佐伯祐三の展覧会いやでも期待してしまう。数年前に、神奈川県立美術館で「佐伯祐三と佐藤繁次郎展」を見たとき、涙がでてきてしまった。
さて、今回の「佐伯祐三展」ですが、若い頃の自画像から始まり、フランスに渡るまでの日本での作品が数点あったのがうれしい。自画像はやはり東京芸大所蔵のルノワール調のものが圧倒的にいい。自信に満ちたて早熟のテクニックも持ち合わせてる。フランスに渡る前の風景画で「勝浦風景(だったかな?)がめちゃくちゃよかった。なんでも個人蔵ですがこれだけの作品なら美術館に所蔵されていてもなんら不思議じゃないし、初期の代表作と言ってもいいくらい。早描きの佐伯祐三ですが、この時期と日本に一時帰国していた頃の作品は、かなり塗り込んでいる。中でもこの「勝浦風景」の海の深い深い色と構図には圧倒されてしまう。それに絵の中心にある岩に叩き付けてる波。クールベの波より数段にいいと思う。この作品を見るだけでも佐伯祐三はただものではないとわかる。
フランスに行って、ヴラマンクに一喝されたあとに描かれた顔が塗りつぶされている「立てる自画像」。これ、写真で見るよりなんか不思議な感じがする。この全身がへんにこの画面に収まってると言うのかな?たぶん、佐伯祐三の見事なバランス感覚でこの立ってる自画像をこの80.5×54.8と言うキャンバスの中に見事に配置してしていると思う。それと「オーワーズ河風景」。俯瞰でオーワーズの街なのかな?描いてるんだけど、これも見事に画面の中に落とし込んでいる。こうして佐伯祐三の絵を見ていると、たまにビックリするような構図で描いている作品がある事に気がつく。家の1階部分のだけ描いてる作品なんか、なんでこんなところを描いたの?って思ってしまう。佐伯祐三の美なんでしょうね。
佐伯祐三が一時帰国して描いた「下落合風景」の1番最初にあった電柱が手前にのびてる作品はすごいいいです。この構図もそうだけど、日本の風景を描ききれない苦悩が早描きの佐伯祐三がかなり塗り込んで格闘していたのがわかる。そのせいか、かなり重厚な絵になっている。この一時帰国していた時の絵は、東京国立近代美術館でたまに委託展示されているガード下の描いた下落合の絵も凄いいい作品。日本の風景は描けないと嘆いていた佐伯祐三ですけど、個人的には十分すぎるくらい描けてると思う。
最後の数年間のフランスでの作品。まずフランスに渡ってすぐに描いたであろうホテルから俯瞰で描いた「オブセルヴァトワール附近」はこれも凄いいい作品です。これもフランスに着いたうれしさなんでしょうか?かなり書き込んでいて見応えがあります。とにかく、木の枝をものすごい早いタッチで塗り込んでいて、かなり見応えがあります。あと「カフェレストラン」もいいです。この作品、1歩近づいてみるといいです。一見、かなり早描きで描いたような作品だけど、奥にガラスの仕切りがあるんですけど、そこの描写を見るだけでもものすごく細部にまでこだわってるのがわかる。バーを描いた作品なんか見てると、きっと佐伯祐三はこのBARと言う文字が描きたかったんじゃないかな?と思うような絵。
残念ながら、このあとの作品は最後にあった郵便配達夫と黄色いrストランまで意識が飛んでます。やっぱりこの「郵便配達夫」はいいですね。顔の表情そしてこのなんとも言えない右足の構図。エックス線で書き直したあとがあると描いてありましたが、苦心したんでしょうね。この絵を見る限りでも、佐伯祐三の絵が独自の到達点にあると思う。ルノワールやセザンヌにヴラマンクにユトリロ、それをすべて自分の物にして佐伯祐三芸術の完成形だと思う。
ただ、佐伯祐三が自信あると言ってた「黄色いレストラン」の扉の作品はまだ、よくわからないです。佐伯祐三はなぜこの作品がよく描けたと言ったのか・・・。
これだけの作品がきていながら、代表作のモランの教会など思った以上に見たい作品がきてなかったのと、良い作品が1割くらいしかなかったのが残念です。正直、神奈川県立美術館で見た佐伯祐三のほうがよかったです。それでも、これだけの作品を持ってきてくれた事には感謝です。
日本にこれだけ凄い洋画家がいたと言うのは本当に日本って国はすばらしいと思う。命を削りながらこれだけの作品を残してくれた佐伯祐三に感謝です。
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