今年、札幌で1番見もの大原美術館展に行ってきた。もっと、混んでいるかと思ったら、思った以上に空いていてびっくり。もう、札幌では、長蛇の列ができるような展覧会はないのかなと思ったりする。日本の美術館でも有数のコレクションを誇ると思う。それが、札幌に。どれだけの作品を持ってきているのか。
古典から、現代美術まで安井曾太郎と児島虎次郎が2点あるだけで、1作家1点で約80点。展覧会としては、かなり幅が広くて、須田国太郎とか林武あたりがあるだけで、見ていてうれしくなる。正直、大原美術館には行ったことがないので、どのくらいの作品を持ってるのかわからないけど、この展覧会で、特によかったのは、月並みだけど、まずは岸田劉生の静物画でしょう。どんなに具象絵画として描いても、ただの静物に対して精神性まで描ける画家は、そうはいないでしょう。りんごとブリキの缶と茶碗だけど、これだけの緊張感と物の本質に迫っているのは、ただただ見ていて凄いと思う。
それと、関根正二の信仰の悲しみ。この作品、写真で見ると、どうも頭でっかちで、微妙にバランスの悪い感じがするけど、本物はまったく違う。まずは、この作品の色でしょう。配色が見事にいい。関根正二が精神的に弱っている時期に描いただけあって、不安にさせる絵だけど、何かにすがるような思いで描いたように思える。とにかく、本物はすばらしい。
須田国太郎の絵は、以前、東京国立近代美術館で「須田国太郎展」でかなりの作品を見たけど、大原で持っているこの作品はいいです。この黒い世界。なんどもなんども絵の具を削りとって、真っ黒い中に、びんやりと尾道が見えてくる。
あとは、草間弥生の作品なんか、こんな近くで見ると。手で描くすばらしさを教えてくれる。これをコンピューターなどで描いてしまっても、こんな味のある絵にはならないと思うし、草間弥生が、計算して書いた絵ではないというのは、筆跡をみるとわかる。けして計算ではなく、感覚だけで描いていることが。そのせいもあって、規則正しくない、不思議な草間弥生の世界に落ちていく。
知らない画家だったんですけど、ギヨマンという人の作品もよかった。
正直、もっと凄い絵がきていると思っていたけど、これだけ見れれば十分かな。あとは、大原美術館に行ってみる楽しみを残しておくべきだと思う。

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